令和三年春彼岸会法要

本日、令和三年春彼岸会法要が行われました。

昨年は新型コロナウイルス感染が始まったばかりで、何をどうしていいか分からず、一般法要を中止し、各家ご法事の付回向のみ行いました。今年は、感染症が収束したわけではありませんが、どうしたら感染予防できるかがわかり、対策を行えば行事も行えることが分かり、皆様からもご協力を頂き、無事に春彼岸会法要を行うことができました。しかし、密になる事、長時間人が同じ場所にいることは避けなければならないため、第一部を付回向法要、第二部を一般法要と分散法要といたしました。

第一部は13家の皆様が合同にて年忌法要の付回向を行いました。木魚をまだ設置することができず、「木魚を打ってのお念仏」は叶いませんでしたが、皆様からお声を出してお十念を頂くことができたので、有難いことだと思いました。

準備が整った御内陣です。いつもと違う事に気づかれると思います。御内陣の床が畳ではなく、赤、白、青と色分けされています。これは「二河白道」を表す形になっています。二河白道とは、浄土教における、極楽往生を願う信心のたとえとなっているものです。正面の阿弥陀様に向かう白い道、右は水の河、左は火の河を表しています。阿弥陀様のおられる須弥壇が極楽浄土、私たちのいる下段を現生とたとえ、現生の怒りや憎しみが左の赤「火の河」、貪る心の欲望が右の青い「水の河」に象徴されています。欲望や、憎しみから逃れ、一心に白道を進むと(一心にお念仏一筋に勤める)ついに極楽へ往生を果たすことができるという世界を極楽寺の内陣で表したものです。藤田住職が長年の夢として、この二河白道の世界を極楽寺で再現したいと、この度の春彼岸会法要でお披露目となりました。コロナ禍による不安や、現世の悩みは尽きませんが、一心にお念仏をお唱えして、身も心も健康に日々過ごしたいと思います。

午前9時半、一部法要開始です。住職が二河白道のご説明をしております。

付回向法要では、ご親戚の皆様からもご参加いただき、各家単位でご焼香を頂きました。

第二部法要では、お越しになった順番に、お申込みいただいた経木に洒水を行いました。

午前11時より二部法要が始まりました。障子戸も開け放ち、間隔を十分とってお座りいただき、開始の読経をお聞きいただきました。昨年は、皆様にお集まりいただき、合掌し、お念仏をすることも、行うことができませんでした。こうやって、「南無阿弥陀仏」のお念仏をご一緒にお唱えすることができたのは、とてもありがたい事でした。

ご焼香は、お越しになった方から順番にしていただき、混雑しないようにご協力を頂きました。

11時から始まった第二部法要も、11時40分頃には終了し、皆様から無事にお参りを頂きました。本日は風もなく、穏やかなお彼岸中日で、墓地にはたくさんのお花が手向けられ、ろうそくや線香の煙がゆっくり立ち上り、とてもいいお彼岸でした。ご先祖様のどなたお一人が欠けても今の自分はない、ということを彼岸法要を行うたびに感じます。昨年はお参りも少ない寂しいお彼岸でしたが、今年の穏やかな墓地の風景を見て、苦しい一年だったけれど、まだまだコロナ禍は続いているけれど、きっともうすぐ穏やかな日が来るという気持ちが起こりました。

大雪と厳しい寒さの冬でしたが、ようやく春の息吹を感じます。まだ朝晩は寒いこの頃です、お身体大切にお過ごしください。