立春

予報通り、立春は雪の朝になりました。週間予報を見ると、まだしばらくは寒い日が続くようです。今日は、そんな寒い中でも立春らしい、ちょっと彩のある写真をご紹介します。極楽寺の台所です。

4年前に台所の改修をした際、大工さんが若い方で、いろいろ使いやすい工夫をしてくれました。電子レンジやポットを置く棚を作ってほしいとお願いしたのですが、その真ん中の柱の部分に、小さい棚を取り付けてくれました。カレンダーやエアコンのリモコンなどを置いていたのですが、そこに最近小さな花瓶を置くようになりました。

コロナ禍でいろいろな新しい取り組みが始まりました。テイクアウトの配達業、リモート会議や在宅勤務。まだまだ知らないところで様々な取り組みが始まっていると思います。新しい日常、それは掛け声だけでなく、実際に仕事として動いているようです。この花瓶は近所のお花屋さんが始めた「サブスクリプション」です。

サブスクと略して使われていますが、一定の金額を支払うと、その間に定期的にサービスを利用できるというものです。このお花屋さんのサブスクは、2,000円を支払うと2か月(60日)間、1日1回好きなお花をこの花瓶に入れられるというもの。お花屋さんの一角に、小さな花瓶にお花を入れてが並べられ、好きなものを1組受け取ることができます。お花1輪と添える緑の葉やカスミソウやコデマリなどが定番です。買い物のついでに近くへ行く際は、空の花瓶に水を入れて持参し、常時10種類くらいある中から、好きなものを選んで持ち帰ります。

毎日行くとして、1瓶33円ほど。私の場合は、2か月で20回行きましたので、1瓶100円の計算になります。お花屋さんらしい、センスある組み合わせの花ですから、台所の小さな棚も、カラフルで彩り豊かになっています。お花屋さんも鮮度が命のご商売。どうしても売れ残ったり、組み合わせで必要ない枝が出たりと、ある程度の無駄を計算に入れなければならないものです。その余ったものを組み合わせて、こういうサービスを始めたとのことでした。受け取る方も、こういう組み合わせで花を買い飾ろうと思っても、金額やセンスの問題もあり、プロの組み合わせはさすがだなといつも感じています。今日はどんなお花があるかな、ちょっとワクワクしてお花屋さんに行っています。

この1瓶が1回分。この花瓶はサブスク利用の手続きをする際にプレゼントされたものです。カーネーションとコデマリの組み合わせです。

冬ですから、そんなにすぐには枯れませんから、寺にある小さな花瓶やグラスに入れていろいろ楽しんでいます。

新型コロナウイルスは、人と人のつながりを遮断し、楽しいと思う行動を制限し、経済を疲弊させ、社会を分断させています。ワクチン接種が始まるとはいえ、すぐに元の世界に戻れるかは不透明です。できないことを嘆くばかりだった昨年。もう1年が経過しました。嘆くばかりではなく、新しく始まったことを利用し、楽しむ、もうそんな段階に来ているような気がします。小さな幸せや楽しみを見付けながら、感染が収束する日を感染予防を怠りなく、息長く待ちたいと思います。