夏御堂

6月に梅雨入りしてから、新潟地方は空梅雨気味でしたが、日曜日から本格的な雨が降り出し蒸し暑くなってきました。

この時期ご法事で本堂を使う場合、気温が一番の気がかりとなります。本堂はエアコン設備がなく、扇風機で風を送るだけなので、猛暑になるとお集まりいただく皆様にも大変お気の毒な状況になるわけです。黒をお召しになっているお客様も、装束を着けた住職も汗みどろの法要となっていました。
そこで、3年前から猛烈な暑さが来た場合、本堂からエアコンの効く庫裏の座敷に本尊様の代わりにお軸をお飾りして、「夏御堂」としてご法事を行っています。
早速この日曜日からご法事を行いました。9月のお彼岸まで、各家のご法事は、この夏御堂を使いたいと思います。


このお軸について、藤田住職が説明をしてくれましたので、ここに記します。

山崎弁栄上人 弥陀三尊図

極楽寺のホームページを開いていただくと、この床の間の掛け軸がでてきます。

山崎弁栄(やまざき べんねい)上人が書かれた、弥陀三尊図です。度々の火災により、極楽寺には寺宝はほとんどありません。昭和の初期に、お檀家で日露漁業の創業者、堤清七様からご寄進を頂いたこの掛け軸は、大切な寺宝になりました。

山崎弁栄上人 安政6年(1859年)2月20日 千葉県柏市で誕生 大正9年12月4日 新潟県柏崎市で遷化(享年62歳)

右手と左手で同時に違う文字を書く、米粒に名号(南無阿弥陀仏)を書く、預言などを行う、といった不思議な出来事がたくさん伝わっています。

この弥陀三尊図は、油の乗り切った昭和初期のお作であり、インドからお持ちになった念珠とこの掛け軸は、堤家経由で極楽寺へ伝わりました。

箱書きに、ご本人の御名号とご署名があり、東京芝増上寺を拠点に活躍された弁栄上人と堤さんは、交流がありました。宗教活動にも資金が必要です。堤さんは、弁栄上人を応援されたようです。

暑い夏の間、本堂は蒸し暑く、ご法事でおいでになる皆様と、お経を上げさせて頂く住職の健康も考え、「極楽寺夏御堂」とご理解いただくとともに、この寺の宝を皆様の目に泊めて頂きたいと考え、お飾り申し上げました。

以上が住職の説明です。2枚目の写真の右側が極楽寺の御内佛です。そこに写真が飾ってありますが、その方が山崎弁栄上人です。

極楽寺では、8月9日のお盆塔婆施餓鬼法要のお申し込みが始まりました。夏の行事についての実施方法をこのホームページの年中行事を開き、項目をクリックすると説明が出て来ますのでご覧いただき、多くの皆さまのご参加をお待ち申し上げております。また、盆参(8月13日)のお墓参りについての注意事項などもクリックして頂けると読めますので、ご一読の上、お参りくださいますよう、お願い申し上げます。

墓地の草が梅雨の雨をもらい元気よく伸びてきました。本日、石翠園さんから除草剤を散布して頂きました。枯れるまで1週間ほどかかりますので、お墓参りの際など、草が邪魔になるかと思いますが、ご容赦賜りますようお願い申し上げます。